[コラム]認知機能の運転評価と精神障害者の刑事責任能力

わたくしはかねてから、脳卒中や脳外傷による認知機能障害に関する診断書作成と、犯罪を犯した精神障害者の刑事責任能力に関する診断書作成が、非常に似通っている構造を持っていると考えていました。

すなわち、どちらも科学が判断できないという点が似ていると感じるのです。


例えば「安全な運転必要な認知機能」における「安全な運転」とは何なのか?

この問いにさえ、私たちは明確に答えることが出来ないのです。

「安全な運転」の意味が分からずに、それに必要な認知機能がどの様なものなのか、分かるはずはありません。

 

精神障害者の刑事責任能力について言えば、ある精神疾患を持った患者が起こした罪について、罰を与えるべきかどうかという点を、医師が診断しますが、例えば統合失調症で幻覚や妄想の症状があったとしても、それが罪を免責されるべき程度かどうかは、医学にはわからない。

だからこそ、刑事責任能力を評価するのは一般の医師ではなく指定医が行います。

 

このように、運転免許の診断書作成、特に認知機能についての診断は、精神障害者の刑事責任能力についての診断書作成と非常によく似た構造だと私は考えています。

 

このような議論が、医療の現場で行われているかは分かりませんが、

私と同じような感覚を持ちながら、実際に評価を行っている医療職の人たちがいるのではないかと思っているのです。

 

中々センシティブな内容なので、誤解を生まないで欲しいと思いますが、色々調べてみましたところ、法学の世界で一定の議論があることを知りまして、それをわかりやすく解説する動画を発見しました。

以下のYouTube動画で視聴できますので、興味のある方は参考にして下さい。

東京大学が行っている公開講座です。