お知らせ

支援とは何か?書籍出版のご案内

当会の代表の佐藤は、この度「支援とは何か・善意から生まれるパターナリズム」を出版いたしました。
この書籍は全3部で構成され、本作はその第1部です。
以下に紹介分と、本編一部をご紹介させて頂きます。
本書はアマゾンキンドルでご購入いただけます。
〇紹介文
支援は善意だけで完結しない。
本書『支援とは何か』第1部は、冒頭の問い――「あなたのその笑顔は誰のためか」――を手がかりに、
医療・介護・福祉の現場から家族・学校・職場まで、
私たちの関係にしみ込むパターナリズムをていねいに解きほぐします。
善意が他者の声をかき消す瞬間、支援と治療が重なり合う局面、文化や慣習(日本的パターナリズム)の作用。
実例とシンプルな図解で、現場の違和感を言葉にし、「結果だけでなく、その結果とともに生きる物語」へと視点を移す一冊です。
読者対象:医療・看護・リハ、介護・福祉、教育、心理、ソーシャルワーク、地域支援に携わる方、家族のケアに向き合う人。
※本書は一般的な知見の提供を目的としており、個別の医療判断の代替ではありません。三部作の第1部として、続巻では感情と関係の設計(第2部)、社会・制度の再考(第3部)へと進みます。
〇本編抜粋
前書き
国連の障害者権利委員会による日本への総括所見の公表から三年が経ちました。
まずは、この所見の作成に尽力された、日本国内外の障害者団体や人権団体、個人の方々に深い感謝と敬意を表したいと思っています。
一方で、この所見に対して、自己正当化に奔走しているように見える日本政府には、残念な思いを抱かざるを得ません。
実は私自身、この総括所見がまとめられるまでの長い議論の過程をまったく知りませんでした。その存在を知ったのは、発表後の報道を通じてです。
「自分のアンテナが錆びついていた」――その事実を突きつけられた瞬間でもありました。
公表直後には、日本の障害者団体を中心に幅広い反応があり、国会質疑でも取り上げられました。
特に、障害当事者であり国会議員でもある人たちが、大きな役割を果たしたと感じます。
2024年には、障害者差別解消法の改正による合理的配慮の義務化など、一定の前進も見られましたが、
総括所見の公表から三年が経った今、果たして具体的な行動はどこまで進んだのか。私は必ずしも十分とは言えないと感じています。
この総括所見には多くの指摘や改善要求が並びますが、その根底に共通する課題があります。
それが「パターナリズム」という言葉です。
本書では特に、日本独自の歴史や文化の影響を色濃く受けた形として「日本的パターナリズム」と呼びます。
パターナリズムは、日本語で「父権主義」や「温情主義」と訳されます。
聞き慣れない言葉であること自体、この国の無自覚性を象徴しているのではないかと感じますが、
この無自覚性こそがパターナリズムを強力に支える土台となり、解決を困難にしています。
パターナリズムは、人間の本能や感情の一種であると同時に、国や地域の歴史・文化・宗教観の影響を受け、その意味や強度が変化します。
日本的パターナリズムは、有史以来の文化的背景のもとで根強く生き続け、医療・介護・障害者福祉の土台となり、
日本人そのものに対する心の基盤として深く根を張っています。
本書の基本的スタンスは、日本人が持つパターナリズムへの無自覚性から脱し、自覚的な人間へと変わること。
ここを目的にしています。今まで何千年もの歳月をかけて積み重なってきた日本的パターナリズムは、そう簡単に消え去るものではありません。
無自覚性を克服することこそが、日本的パターナリズムを乗り越えるための出発点であり、医療・介護・福祉分野における課題克服の第一歩になると私は考えます。
本書では、パターナリズム、特に日本的パターナリズムの正体を明らかにし、それが医療・介護・福祉の「支援」にどのような影響を与えているのかを探ります。
そして、それを乗り越えることは可能なのか、可能であればどのような方法があるのかを、私自身の経験も交えて読者の皆さんと共に考えていきたいと思います。
そして本書は全3部作の内の第1部となり、第2部では「障害者はかわいそう」と言う感情から、
日本的パターナリズの実例を紹介し、第3部では全体のまとめとして、支援とは何かについて考え、
支援と名の付く役割を担うすべての方へ向けて、お話ししたいと考えています。
本書は、2025年夏に行われた、ボランティア組織「インクルージョンジャパン」が主催した設立記念セミナー「障害者はかわいそうを乗り越える」の講演録をベースに、加筆・訂正を加えたものです。
注意事項
*本文中の図は、セミナーで使用したパワーポイント資料をもとにしています。この図は巻末に一括して掲載していますのでご参照ください。
*特に注記がない限り、資料中の写真はすべて生成AIによるものであり、特定の人物・団体・事例を示すものではありません。
*文字起こしや編集・加筆・修正の過程で、生成AIを執筆支援として活用しています

著者略歴
1963年7月、東京都大田区生まれ。現在、東京都青梅市在住。
若者の夢を応援するマネージメント会社を立ち上げた後、2000年頃より障害のある人々との関りが始まり現在に至る。
インクルージョンジャパン代表。社会活動家。作家。
この書籍をこれまで共に生きてきた福祉作業所の利用者のみなさんに捧げます。ここに記されたすべてのことは、彼らから学んだのです。
(1)導入 あなたのその笑顔は誰のための笑顔ですか(→図1参照)。
まずは資料最初の二枚の写真をご覧下さい。一枚目は福祉作業所やデイサービスなど、利用者の人達が毎日通ってきて、夕方になると帰っていくような場所をイメージしたAI生成画像です。このような風景を私たちは日々経験しますが、その時私たちは何を感じているか。是非思い出してみて頂きたいのです。例えば私ならこう思います。日中色々なことが施設の中で起きます。利用者同士のトラブルが起こり、言い争いが起きることもある。また泣き出してしまうような人もいれば、一日中何も言わずにうつむいている人がいたりします。そしてその輪の中で笑っている人もいる。私が働いていたB型福祉作業所はこういう場所でした。そのような混沌とした1日が終わって、それでも、利用者の人たちは写真のように笑顔で帰っていく。私たちはそれを扉から見送りつつ「また明日ね」と言って笑顔で手を振る。利用者もそれに呼応して振り返りながら手を振って帰っていく。福祉作業所やデイサービスの現場で働く方であれば、誰もが経験する一場面です。この時私は何を感じているのか。思い起こしてみると多分以下のような感情ですし、皆さんも同じではないかと思います。
「ああ今日もやって良かった。この仕事に就いて良かった。明日も頑張ろう」。
この気持ちは実際にこのような現場で働いた人にしか味わえない、一種のご褒美、ギフトのように感じるのではないでしょうか。
二枚目の写真は、病院でよく見る光景です。辛い治療や入院生活を乗り越えた患者が、笑顔で退院していく。病院の玄関で別れを惜しむこの瞬間、私は思う。皆さんもきっと思うでしょう。
「ああ 本当に良かった。私は報われた。私のやったことは正しかった。明日も頑張ろう」。
この場面も先ほどと同じで、現場という内側にいる人にしか見えない喜びの風景であり、一種の達成感とも言えると思います。
実はこの二枚の写真は、この本の主要テーマである、[支援とは何か?] を考えるための、皆さんへの問いかけなのです。私が皆さんにこの本を通じて問いかけたいと思っていることはこういうことです。
「あなたのその笑顔は誰のための笑顔ですか?」
です。そして、皆さんが今感じていらっしゃることを記憶して頂いて、本書第3部の最後にもう1度この写真をお見せいたしますので、最初に感じたことと、最後に感じたことを比較して欲しいと期待しています。もちろん変わったかどうかはみなさん次第ですし、答えがあるわけでもありません。なぜなら、私たちのような支援する側の人間は、常に答えのない問題と向き合いつつ、何らかの回答をし続けることが仕事でありながら、実は回答が正解かどうかは私たちにはわからない。矛盾を感じながらの進んでゆくのが支援の営みだと思います。私たち支援者は先生ではありませんし、先生でも答えられないような難問を投げかけてくる相手に応答し続ける。これこそが支援する者が相手と向き合う時の基本姿勢です。
さて、「その笑顔は誰のための笑顔ですか」この問いかけだけだと意味がよくわからない。一体何のことを言っているのだろうと思うかもしれませんので、少し補足したいと思います。つまり私が問いたいのは、私たちの笑顔は[結果]に対するものなのか?それとも[過程・プロセス]に対する笑顔なのか、という問いです。先ほど私が言ったような、「ああ、やって良かった。喜んでくれて良かった。支援して良かった。私のやり方は正しかった。私が役に立った、という感想や実感が何を表しているかと言うと、一種の自己満足です。達成感と言ってもいいかもしれませんし、自己評価と言ってもいいわけですが、これは皆さんが支援者として、患者や利用者に寄り添ってきた[結果]への一種の自己評価と言えます。「私のやり方が正しかったからこそ結果(患者や利用者の笑顔)が良かったのだ」。このような結果が全てという考え方のことを帰結主義と呼びます。終わりがどう終わるかが全てであって、プロセスは二の次だという考え方です。つまり二つの写真の場面で私たちが無意識に感じることは、結果に対する自分への喜びだと言えるでしょう。しかし結果に対する自分の喜びは、所詮主観でしかありません。患者の笑顔が患者の満足を表しているのではないかと考えることは出来ますが、何に対して笑顔なのかは謎のままです。
これが最初に見て頂いた、私も皆さんも感じる別れの場面での実感、喜びの正体です。では、その笑顔が結果に対するものであるならば。プロセスに対する笑顔とは何なのか。なぜこのようなこと面倒くさいことを、考えなければならないかというと、支援とは[結果ではなくプロセス]の中に現れるものだからです....

 

 

 

2025年10月06日

「精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会」への当会の見解

福祉新聞が2025年9月15日付で、[精神科の入院、強度行動障害は対象外 厚労省「訪問看護で対応]との報道を行いました。

厚労省では2024年5月から精神保健医療福祉の今後の施策推進に関する検討会で議論されており、本件についての当会の見解をホームページ上に公開いたしました。記事リンクは以下のボタンよりご覧いただけます。

なお、リンク先はインクルージョンジャパンWEBサイトです。

理事長 佐藤

 

 

2025年09月15日

改正障害者差別解消法医療機関向けガイドライン

2024年に施行された改正障害者差別解消法によって、合理的配慮が義務化されました。

厚労省は、この改正を契機に、医療機関向けの「ガイドライン」を改訂し、最新版を公表しています。

医療機関やその従事者は、誰よりも障害のある人たちと接する可能性や頻度が高い人たちですから、

ガイドラインなど読まなくても、差別などしていない。私は障害のある人に寄り添っているという自負をお持ちかもしれません。

しかし、その考えこそが、医療従事者が陥る最大の落とし穴なのです。

 

なぜそうなるのか?その理由は主に3つに集約できるでしょう。

医療とはそもそも個人を評価しその高低差を計る。
現代の医療は、人間を様々な視点から測定(検査)し、標準値に対して高いのか低いのか?を評価することが、治療の開始点です。つまり現代医療には、避けきれない差別が存在します。人間を数値化し評価することがどんな差別につながるのでしょうか?それは、高い人は素晴らしく、低い人は素晴らしくない、という思想を増強させます。そして医療とは、素晴らしくない人を素晴らしい人へと変化させることが主な任務でもあります。また、誰が障害者か?誰が障害者ではないのか?を、決定する事実上の決定者でもあります。
日本人だから
人権や自由、平等などの現代世界における最重要な価値は、そのすべてが明治以降日本に輸入されてきた概念であり、西欧思想(キリスト教的思想)そのものです。それに対して日本人の歴史、文化、宗教観は、根本的に西欧思想と異なります。人権思想の基盤である「個人」は、日本においては「集団対個人」という図式の中で「個人よりも集団を優先する」思想によって、私たちは無意識に個人の尊厳の優先順位を下げてしまいます。例えば「空気を読む」はまさに個人よりも集団を優先する思想そのものでしょう。このように私たちの心や無意識の世界に染み付いているのです。このことを自覚的に受け止めなければ、人権や差別にコミットすることはできません。
病院における上下関係
医療機関で働く人たちは、医師、看護師、その他のメディカルスタッフ、事務スタッフなど、学歴と収入の高低差による強力なヒエラルキーが支配します。それ自体の善悪を問う前に、そのような場所で働くことで、スタッフ一人一人の心に、固定化される能力主義や上下関係で「他者を見てしまう」癖がついてしまうのです。そしてその癖は、仕事中にのみならず、日常の生活、つまり人生における他者との関係を侵食するのです。

このガイドラインには、医療機関でのお仕事の様々な場面で、今のやり方を変えるべきことが列挙されています。

是非読んで欲しいと思います。

 

なお、この件については運転支援者研修の中でも詳しく解説しています。

理事長 佐藤

 

 

2025年09月07日

申込フォームの不具合解消について

 

2025年8月開催の当会の設立を記念する講演会「障害者かわいそうを乗り越える。善意から生まれるパターナリズム」の申込フォームにて、送信前の認証コードの入力ができず申し込みが完了できない事案が発生いたしました。本件については7月4日20時現在、復旧しております。
申込ができなかった皆様へはお詫びいたします。引き続き申込をお待ちしております。

理事長 佐藤

 

 

2025年07月04日

サマーセミナーの募集が始まりました。

 

8月開催予定のサマーセミナー「障害者はかわいそうを乗り越える。善意から生まれるパターナリズム」の募集が始まりました。

理事長 佐藤

 

 

2025年07月01日

当会の運営母体の変更について

 

日本身障運転者支援機構は、2025年8月よりインクルージョンジャパン(仮)の傘下に入ることになりました。詳細については後日お知らせいたしますが、当会の活動や名称、代表者に変更はございません。これまで通りの活動を行ってまいります。

理事長 佐藤

 

 

2025年06月13日

運転支援者研修視聴ページのご案内について

 

本日までに運転支援者研修にお申し込み頂いた方全員へ、視聴案内のメールを送信いたしました。万が一メール未着の方がいらっしゃいましたら、当会問い合わせサイトからお問い合わせください。

 

 

2025年04月29日

[重要] 危険運転致死傷罪第3条の改正議論(パーキンソン病)

 

近年、異常な速度で走行することによる重大事故や飲酒運転による自動車事故等が社会問題となっています。特に危険運転致死傷罪での処罰に高いハードルがあるとして、ハードを下げるために何が可能か、を議論する検討会が法務省で行われておりました。そして、2024年11月13日にその取りまとめ案が決定されました。この検討会では、異常な高速度や飲酒がメインテーマでありましたが、実は危険運転致死傷3条も議論されており、特にパーキンソン病がテーマになっています。結論として、一定の症状を呈する病気等の中にパーキンソン病を含める主張は退けられましたが、せっかくの機会ですので、中間とりまとめの資料と本検討会にご参加された医師の資料をPDFで添付いたします。医療従事者の皆様は是非参考にしてください。

 

 

2024年11月19日

新講座のご案内

 

2024年度の運転リハフォーラムで取り上げた「二種免許とライドシェア」を会員の方以外にも公開することになりました。

医療従事者限定となりますが、ご興味のある方はお申し込みください。

 

2024年11月15日

システムメンテナンスのお知らせ

 

2024年11月11日(月曜日)は終日システムメンテナンスのため断続的にホームページが非表示となります。ご了承ください。

 

2024年11月08日

運転リハフォーラム2024の募集延期について

表題の研修事業の募集を当初7月下旬から開始する旨のご案内をしておりましたが、準備に手間取っているため少々延期させていただきます。開催は秋を予定しております。新たなご案内までもう少々お待ちください。

2024年07月30日

[予告] 運転リハフォーラム2024

8月中旬開催予定です。詳細は近日発表致します。
運転リハフォーラム2024「病気や障害のある方の二種免許」身障者はライドシェアに従事可能か?WEB開催。

2024年06月28日

WEB SITEの表示不具合について

 

2024年1月末から2月24日まで、サーバートラブルによりWEB表示に不具合が生じておりました。

現在は復旧しております。

大変ご迷惑をおかけいたしました。

2024年02月24日

[コラム]認知機能の運転評価と精神障害者の刑事責任能力

わたくしはかねてから、脳卒中や脳外傷による認知機能障害に関する診断書作成と、犯罪を犯した精神障害者の刑事責任能力に関する診断書作成が、非常に似通っている構造を持っていると考えていました。

すなわち、どちらも科学が判断できないという点が似ていると感じるのです。


例えば「安全な運転必要な認知機能」における「安全な運転」とは何なのか?

この問いにさえ、私たちは明確に答えることが出来ないのです。

「安全な運転」の意味が分からずに、それに必要な認知機能がどの様なものなのか、分かるはずはありません。

 

精神障害者の刑事責任能力について言えば、ある精神疾患を持った患者が起こした罪について、罰を与えるべきかどうかという点を、医師が診断しますが、例えば統合失調症で幻覚や妄想の症状があったとしても、それが罪を免責されるべき程度かどうかは、医学にはわからない。

だからこそ、刑事責任能力を評価するのは一般の医師ではなく指定医が行います。

 

このように、運転免許の診断書作成、特に認知機能についての診断は、精神障害者の刑事責任能力についての診断書作成と非常によく似た構造だと私は考えています。

 

このような議論が、医療の現場で行われているかは分かりませんが、

私と同じような感覚を持ちながら、実際に評価を行っている医療職の人たちがいるのではないかと思っているのです。

 

中々センシティブな内容なので、誤解を生まないで欲しいと思いますが、色々調べてみましたところ、法学の世界で一定の議論があることを知りまして、それをわかりやすく解説する動画を発見しました。

以下のYouTube動画で視聴できますので、興味のある方は参考にして下さい。

東京大学が行っている公開講座です。

 

 

2023年12月07日

通達更新情報

海外の運転免許及び国際運転免許における免許手続き、臨時適性検査を含む制度の改正がありました。

2023年12月06日

[コラム] 二種免許に必要な運転能力

近年、我が国においてもライドシェア導入について社会的なテーマになっています。

実際に11月からは政府の有識者会議も実施され、12月末には一定の結論が出るようです。

ライドシェアとは何かというと、一種免許保有の一般ドライバーが、自家用車を使って乗客を有償で運送することを指します。もっと簡単に言えば白タクの一種です。白タクは現在わが国では違法ですが、それを合法化するのがライドシェアの概要です。制度化するわけですから白タクのような無法な営業ではありません。それなりの規則や行政機関のコントロール下に入るわけです。現在でも福祉有償輸送という制度がありますが、これの延長線上にあるという建付けです。但し、福祉目的ではありません。タクシー不足を補うための制度であり、且つ営利企業が運営することが可能となりますので、料金もそれなりの額(タクシーの半額から8割程度らしい)となります。

最も有名なのがウーバーです。日本ではウーバーイーツが有名ですが、食べ物を運ぶ代わりに人を運ぶ、というイメージでしょう。

 

さて、このライドシェアの議論と同時進行で進められているのが、2種免許の廃止や取得の簡略化についてです。

ライドシェアは一種免許で出来るのですから、タクシーが二種免許を保有する意味がなくなります。

この会議の中で、警察庁は2種免許と一種免許の運転能力の違いについて説明していまして、なるほど、と感じたので、皆さんともシェアしておきたいと思います。

 

警察庁はタクシーの運転をするにあたって、なぜ2種免許が必要なのか?以下のように説明しています。

①一般的に営利を目的としており、営業効率を上げようとするなどのため、1日の走行距離や輸送人員が多くなること

②乗客の指示による急な方向転換等への対応、乗客の動静確認及び安全確保等のため、通常より高度の運転技能や知識が必要

③旅客自動車による事故は多くの人命を損ないかねないこと

 

運転能力という事を考えた時、重要なのは上記の②だと思います。

つまり二種免許保有者は、通常より高度な運転技術が求められるわけです。この「運転技術」の中には認知機能も含まれるでしょう。

私自身も経験がありますが、乗客はよく、突然に「そこの角を曲がって」とか「そこで止めて」などと無謀な要求をします。

そんな突発的な要求に安全に応えるためには、一般ドライバー以上の迅速で的確な運転操作と、高度な認知機能が求められます。

これこそが、2種免許の意義だと警察は説明しました。

 

他方でライドシェアが1種免許で可能な理由は、上記②のような場面にはライドシェアは出くわさないからです。

なぜならライドシェアは流し営業をしません。アプリで迎車し、目的地も予めアプリで指定し、料金も事前に決定しますので、

急な方向転換等は起こらないからです。

 

ちなみに、タクシーの事故は、空車時に多発するというデータがあります。

従って、流し営業をしないライドシェアは従来のタクシーより事故が少なく、また1種免許で十分。という理屈になっています。

 

みなさんの患者の中にも、2種免許を持っていて更新を希望する方がいらっしゃるでしょう。

そのようなケースに出会ったとき、一体どのような運転評価が必要なのか?

警察が示した上記の文章は役に立つのではと思います。

 

タクシーは地域にもよりますが流し営業が基本であり、

空車時は、お客を探しながら運転することによる注意散漫や、

急に手を挙げた乗客のために急停車する、急な車線変更をする、などの機会が多く、

一般のドライバーよりもさらに高い認知機能が求められます。

 

このようなシチュエーションで運転するのがタクシー運転手であり、2種免許とは、そのような場面への対処出来る運転能力を獲得するための訓練を受け、なおかつ試験という選別を通った証となります。

 

2種免許を持つ患者の運転評価をどうすべきか?

多くの医療職の悩むところですが、是非参考にして下さい。

2023年11月30日

2024年度の運転支援者研修について

現在、2023年度後期日程の運転支援者研修の募集中ですが、本研修の申込は11月末日で締め切ります。

2024年度の研修日程については、実施の可否を含めて1月1日に発表いたします。

2023年11月22日

障害者権利委員会の総括所見の外務省仮訳の公開

ゴールド認定の研修テーマの一つになっている、国連障害者権利委員会の総括所見について、外務省の仮訳(日本語)が公開されています。

研修会で使用した和訳文書との比較をすることで、日本政府の考え方がより深く理解できるのではないでしょうか?

外務省の仮訳は以下のボタンからダウンロードできます。

 

 

 

 

2023年09月07日

動画配信サーバーの変更について

2023年9月配信分より、動画配信用サーバーをVimeoからYouTubeへ変更いたします。

YouTubeのプライバシー強化モードで配信いたします。

 

 

2023年08月31日

運転支援者研修第1期募集期間について

5月1日から配信が始まる運転支援者研修の第一期開催分の参加申込は、配信開始日以降も6月末まで継続いたします。

但し、全動画の視聴時間は約20時間と膨大です。申込日に関わらず配信は8月末で終了しますので、この点ご考慮の上お申し込みください。なお、全ての動画視聴とレポート提出が認定条件となります。

 

 

2023年04月29日

2022年度ゴールド認定証及び支援者証の発送について

2022年度のゴールド認定受講者の皆様へ、認定証及び認定カードを4月20日付で発送致しました。

4月28日までに届かない方がいらっしゃいましたら、恐れ入りますが当会までお問い合わせください。

 

 

2023年04月22日

病院の起源と善きサマリア人のたとえ

ゴールド研修のテーマの「支援者になるために」では、病院の歴史を辿りながら、病院というもの、またその従事者の役割について考えてきました。

病院の始まりと宗教、特にキリスト教は切っても切れない関係にあります。

その一例として、私は善きサマリア人のたとえを皆さんにご紹介しました。

さて、2023年4月13日、ローマのバチカン宮殿で、ローマカトリック教皇フランシスコが、イタリアの医療福祉関係者とお会いになり、

その話しの中で、善きサマリア人のたとえについて話されたと、4月13日付のバチカンニュースが報道しました。

元記事のリンクを貼りますのでご興味のある方はご覧ください。

 

2023年04月15日

[特別講座]チャットGPTは支援者になりえるか?開催のご案内

最近話題のチャットGPTをご存じの方は多いと思います。また、実際に利用されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

確かにこれまでの検索エンジンとは全く異なる感覚で知識を得ることが可能なようです。

しかし、AIは人間を代替できるのかという議論や、誤情報や悪用など危惧されています。

支援者として最も重要な、患者の自由な意思決定や正義、また様々な倫理的判断を、現在のAIはどのように表現するでしょうか?

誰でも利用できることから、患者や家族が事前の知識としてチャットGPTを使って情報を得た上で相談にやってくるかもしれません。

この講座では、「チャットGPTは支援者になりえるのか?」をテーマにして、

運転免許取得や運転再開についての様々な質問をチャットGPTに投げかけ、その回答を皆さんで検討してゆきたいと思っています。

 

 

2023年04月14日

2023年度の研修事業がはじまりました

2023年度の運転支援者認定研修他の各研修事業を4月5日から開始いたします。

実施する研修会は以下の通りです。

ブロンズ、シルバー、ゴールドの単体受講、

ブロンズシルバーゴールドの一括取得できる運転支援者認定コース

訪問リハなどの事業者向けコース

医療職向け人権研修

 

以上ご案内させて頂きます。

 

2023年04月04日

2023年度の研修事業を始めます。

2023年度の運転支援者認定研修他の各研修事業を4月5日から開始いたします。

実施する研修会は以下の通りです。

ブロンズ、シルバー、ゴールドの単体受講、

ブロンズシルバーゴールドの一括取得できる運転支援者認定コース

訪問リハなどの事業者向けコース

医療職向け人権研修

 

以上ご案内させて頂きます。

 

2023年03月31日

2022年度ゴールド認定証の発送について

2022年度のゴールド認定対象の皆様へ発送予定の認定証、認定カード、レポート集に付きまして、レポート集の編集に時間がかかっておりますので、先行して認定証とカードのみを発送することとさせて頂きます。4月初旬に到着予定となります。

なお、レポート集についてでございますが、内容についての要確認者からの返信待ちとなっており、これが解決次第印刷工程へ移行しますが、渡航の関係もありますので、発送時期については改めてご連絡申し上げます。

2023年03月27日