日本人の「かわいそう」感から考える、人権とパターナリズム。「障害者はかわいそう」を乗り越える。

スペシャルサマーセミナー2025

開催概要

日程
2025年8月9日~17日(9日間)期間内であれば自由に動画をご視聴いただけます。
聴講方法
このセミナーはWEB開催です。上記期間内に視聴ページからご視聴いただきます。
講演時間
約2時間を予定しています。
参加資格
どなたでもご参加可能です。
参加費用
調整中
申込方法
本ページの下段にある申込フォームより受け付けます。募集は7月1日から始めます。
その他
本セミナーは認定取得対象外です。

 

講演テーマ(各テーマは暫定的なものです)

日本人の「かわいそう」感から考える、人権とパターナリズム。「障害者はかわいそう」を乗り越える。

  • 「かわいそう」という感情の正体。「かわいそう」はなぜNGなのか?
  • 「かわいそう」が支配する日本の医療・福祉現場
  • 感情と文化構造。日本人の宗教観と「かわいそう」の関係
  • 障害者とは、自分を映す鏡。
  • 「かわいそう」を乗り越える。
  • ケアと出会いの再定義

開催のご挨拶

2022年に国連障害者権利委員会から出された総括所見で、日本の医療福祉制度やその従事者に対して、様々な勧告が公表されました。

その中での重要なキーワードに「パターナリズム」という概念が含まれています。

パターナリズムは父権主義等と翻訳されますが、この概念を乗り越えなければ人権を実践することはできません。

障害者の運転支援は当然のことながら、あらゆる医療や福祉事業をどのように実践してゆくべきかを考える時、

人権という概念が基盤となることは医療技術や支援技術と同等の重要性を持っており、

その二つが両輪になってこそ実践、また前進してゆけるだろうと私は考えています。

そこで私は最近、国連の勧告が正当なものなのか?日本の実態はどうなのか?について、

B型福祉作業所という場所で働いて体験してみようと思い、実際に働いてみました。

そして、やはり、日本の医療福祉制度やその従事者が、いかにパターナリズムに侵されているかを実感したのです。

なぜこれほど日本にはパターナリズムが蔓延し、日本人に染みついているのか?

それは、日本の歴史、文化と深い関係があり、現代を生きる皆さんの心の中にも深く刻まれているのです。

国連からの勧告も当然のことながら、人権、特に障害のある人の人権が擁護され、支援者が正しく実践することは、

我が国の医療福祉の分野では喫緊の課題であり、いつまでも足踏みしていることは許されません。

このセミナーでは、日本語の「かわいそう」をスタート地点に設定し、パターナリズムとは何なのか?

なぜ日本人はパターナリズムを払しょくできないでいるのか?

さらにそれをどのようにして乗り越えればよいのか?

皆さんと考えてゆきたいと願っています。

パターナリズムについて改めて理解し、日本におけるパターナリズムの歴史を紐解き、

それが現代を生きる我々の心の中に生き続けているのかを確認したいと思います。

そしてそれを前提に、人権を擁護し実践する立場の医療福祉従事者として、また一人の人間として

どのようにしてパターナリズムを乗り越えたらよいのか?考えたいと思います。

パターナリズム・父権主義というと、つい男性限定の概念と考えてしまうかもしれませんが、

決してそうではありません。母性は父権と同様の働きをするのです。

父親は父親として、また母親は母親として、良かれと思ったことを子供に与えますが、

その良かれと思ってしたことが、実は甚大な負の作用を子供たちに与えている。

そのことと同じように、医療職や福祉従事者は、自分たちが良かれと思ってしていることが、当事者を苦しめることになるのです。

今年の夏がどれほど暑いのか?それとも寒い夏になるのか?今はまだ分かりませんが、

少なともこの夏は有意義な夏だったと、思って頂けるようなセミナーにしたいと願ってます。。

たくさんの方の参加をお待ちしております。

理事長